シリウス、その一、あすなろ、その二

有中房子

1936年 福岡県生まれ
1973年 コスモス入会
2014年 歌集『奈良屋小町』刊行
2015年 第46回福岡市文学賞受賞

作品三首
白秋祭歌会の余韻しばらくを味はひたくて袋町小路
錆トタン葺き替へられてポンプ小屋まだやる気なり刈田の向う
のぼり来し月の滴のごと青し九階の卓の葡萄一房

池田花穂

1999年 福岡県生まれ
2013年 コスモス入会

作品三首
ミント味を好きになろうか迷う秋 恋してるかも分からないまま
妄想では上手くいくのに現実は何も出来ずに一日終わる
ドラえもんのポッケみたいなお月様彼に好かれる道具を出して

池田  毅

1965年 福岡県生まれ
2009年 コスモス入会
2007年  北原白秋顕彰短歌大会 人賞受賞 (宮英子 選)

作品三首
セルリアンブルーの海に土砂混じりアベの心の色が広がる
システムの不具合ひとつで通話さへできずに彷徨ふスマホ難民
消費税上がれば儲かるぬばたまの闇の取引<金塊ビジネス>

池野京子

1931年 東京都生まれ
1975年 コスモス入会
1997年 歌集『女ら集ふ』刊行
2011年 歌集『清水湧き継ぐ』刊行
2012年 福岡市文学賞受賞
2011年から 福岡県歌人会監事

作品三首
外灯を消して新聞取りに行く今日の吉事は<玉城デニー当選>
「よくもまあ何度も生還されました」医師は夫の手熱く握りき
解決の見通し立たぬまま暮れる北方領土、辺野古、拉致ああ

中村仁彦

1952年 福岡県生まれ
2004年 コスモス入会

作品三首
けふのことあしたに延ばし今日を終ふあしたがあると信じてをれば
強くするために殴ると言ふひとの声が聞こえる昭和九十三年
みどり濃き葉むらに隠れ熟したる柿が落ちしごと職をしりぞく

橋本宣子

1039年 東京都生まれ
1992年 コスモス入会

作品三首
羊みな脚を引きずり寄りてくる術後疼きてねむれない夜
点滴や注射の度に生年月日告げれば母がうなづく気配
カチャーシー踊つてみたし躍るほど良きこと来たれ八十近し
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